【2月24日 AFP】オーストラリアの科学者らは、同国に1800万匹生息しているとされる野良猫を駆除するため、「好奇心はネコをも殺す」のことわざにあやかった新たな罠(わな)を考案した。

 この新たな罠は、音と光を用いてネコの好奇心を刺激し、近寄ってきたネコに毒を噴出するというもの。豪研究機関の「外来種共同研究センター(Invasive Animals Cooperative Research Centre)」によると、サウスオーストラリア(South Australia)州沖のカンガルー島(Kangaroo Island)でまもなく実験を始めるという。

 スティーブン・ラピッジ(Steven Lapidge)教授によると、この罠はトンネル状の装置で、音と光を発してネコを中に誘い込む仕組み。「トンネルの中を通過する動物をセンサーで判別し、ネコのかたちをしていたら、その腹部に、睡眠を誘う毒を噴出する」という。豪公共放送のオーストラリア放送協会(ABC)が伝えた。

 外来種共同研究センターは、オーストラリア国内に約1800万匹の野良猫が生息しているとみている。もともとペットだったネコが野良ネコ化したものだが、野生生物を殺してしまうため問題化している。だが、普通の毒で駆除するのが困難で困っていた。

 オーストラリアは広大であることから、外来種などが入り込むと思わぬ結果になることがある。同国では、野生のブタやウサギ、キツネ、オオヒキガエル、果てにはラクダによる農作物や環境への被害に悩まされているという。(c)AFP