【2月22日 AFP】英音楽大手EMIグループは21日、経営難から売却が報じられていたロンドン(London)の「アビイ・ロード・スタジオ(Abbey Road)」について、売却しない方針を発表した。

 ロンドン北西セントジョンズウッド(Saint John's Wood)にある「アビイ・ロード・スタジオ」は、ビートルズを始め多数の著名ミュージシャンがレコーディングに使用したことで知られ、前週の売却報道に大きな反響が巻き起こった。

 EMIは声明で、売却を中止し、代わりに現在、同スタジオを「再生」する改修に関する協議を「同スタジオの関係者である適切な第三者」と共同で進めていることを明らかにした。詳細には触れていないが、今後も録音スタジオとして使用する方針を示唆した。

 EMIによると、同社は前年半ばに同スタジオを3000万ポンド(約42億5500万円)で購入するとの申し入れを受けたが、「アビイ・ロード・スタジオ」はEMI傘下に置くべきだとの考えから申し入れを断ったという。
 
 スタジオ売却報道には、元ビートルズのポール・マッカートニー(Paul McCartney)さんが「長くアビイ・ロード・スタジオと関わってきた人たちが、スタジオを救おうとしている。救済策がうまくいくことを僕も願っている」とのコメントを発表。また、自然・史跡保護団体ナショナルトラスト(National Trust)も同スタジオの購入を検討するなど、大きな反響が広がっていた。(c)AFP

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