■4回転なしで金メダルを手にしたライサチェク

 SPではプルシェンコが首位に立ったが、同3位の高橋までの得点差はわずか0.60点で、事実上同点の状態でFSを迎えた。

 『シェヘラザード(Sheherazade)』にあわせて非の打ち所のない演技を披露したライサチェクは、4回転ジャンプを組み込まず、序盤には立て続けに3回転ジャンプを決め、その後もトリプルアクセルを2度決めるなど、合計8度の3回転ジャンプを跳んだ。

 最終滑走となったプルシェンコは、4回転と3回転のトーループジャンプのコンビネーションを演技の最初で見せたが、トリプルアクセルとトリプルルッツの着氷が不安定になった。常に見せ方を心得ているプルシェンコは、エドウィン・マートン(Edvin Marton)氏作曲の『タンゴ・アモーレ(Tango Amore)』にあわせ、観客にアピールした。

 高橋の金メダルへの挑戦は、序盤の4回転ジャンプ失敗で終止符が打たれた。しかしながら高橋は、ニーノ・ロータ(Nino Rota)作曲の『道(La Strada)』にあわせた演技で巻き返した。

 米国人選手の優勝は1988年のカルガリー五輪のブライアン・ボイタノ(Brian Boitano)氏以来で、ロシア人選手以外の金メダル獲得は、18年ぶりとなった。(c)AFP/Emmeline Moore