【2月18日 AFP】ケニアのノア・ウェケサ(Noah Wekesa)林業・野生動物相は17日、ケニアの貴重な観光資源である肉食動物たちが、今後50年以内に絶滅する可能性があるとして、野生動物保護対策の緊急性を訴えた。

 同相によると、50年前のケニアには、ライオン3万頭、ヒョウとチーター各1万頭、リカオン2万頭、ハイエナ5万頭が生息していた。しかし現在では、ライオンがわずか2000頭、チーターが800~1160頭、リカオンが800頭程度にまで激減した。   

 原因は生息地の減少や、人間との衝突が雨のない雨期によって頻発していることなどが挙げられる。
 1988年に2200万人だったケニアの人口は、現在では2倍に膨らみ、2050年までにはさらに倍増するとみられており、かつて不毛の地とみなされていた地域にまで人間の居住地域が広がることが予想される。
 
 同相は、「何もしなければ、50年間で動物は1頭もいなくなるだろう」と警告を発し、ケニア野生生物庁(Kenya Wildlife Service)が実施する一連の保護対策を発表した。そのひとつは、私有地や地域社会が所有する土地の中にも保護地域を設置し、地域社会も保護活動による利益を得られる仕組みを作るという内容になっている。(c)AFP