【2月15日 AFP】ボルネオ(Borneo)島のマレーシア領内で、生態などについて未知の部分が多い新種のヒョウ、スンダランド・ウンピョウの撮影に初めて成功した。

 撮影されたウンピョウは体長1メートル、体重約40キロ程度とみられ、しっかりとした体つきで、ボルネオ島のマレーシア領サバ(Sabah)州にあるDermakot森林保護区(Dermakot Forest Reserve)でビデオ撮影された。

 スンダランド・ウンピョウは遺伝子を研究した結果、数年前に新種に分類され、08年には国際自然保護連合(International Union for the Conservation of NatureIUCN)によって絶滅危惧(ぐ)種に指定された。東南アジア大陸に生息するウンピョウは、過去にはすべて同一種だったと考えられている。

 マレーシア国立サバ大学(University Sabah Malaysia)で肉食動物を中心にフィールド科学研究を行うアズラン・モハメド(Azlan Mohamed)氏によると、スンダランド・ウンピョウはボルネオ島最大の捕食動物だ。夜行性な上、数が少ないため、同島での生息数を含めその生態についてはほとんど知られていない。ボルネオ島の低地で見られることがあるほか、伐採後の森林地帯でもわずかながら確認されている。

 モハメド氏らは、独ライプニッツ野生動物研究所(Leibnez Institute for Zoo and Wildlife Research)のアンドレアス・ウィルティング(Andreas Wilting)氏が率いる調査の中で、スンダランド・ウンピョウに食べられた後のサンバーシカの死がいを発見した。

 ボルネオ島はマレーシアとインドネシアにまたがる自然の宝庫だが、伐採やプランテーションにより、野生動物の生息環境が脅かされている。環境活動家らは、スンダランド・ウンピョウが密猟の被害に遭う危険性を指摘するほか、同島で急速に伐採が進み、またゴムや油やしのプランテーションが増えるなか、スンダランド・ウンピョウの生息地も破壊されると警告している。(c)AFP/M. Jegathesan

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