【2月3日 AFP】クラスメートの女子児童を「ハチ」で刺して暴行罪で起訴されたインドネシアの男子児童(9)が2日、無罪を言い渡された。この「犯罪」、解決までになんと1年もかかってしまった。

 9歳のデービッド・ユスフ(David Yusuf)被告は1月に起訴された。被告は、禁固約3年の刑を科される可能性があった。

 東ジャワ(East Java)州スラバヤ(Surabaya)地方裁判所のSutriadi Yahya判事は「本件は法廷に持ち込まれるべきではなかった。よくある子どもの悪ふざけなのだから、学校と保護者たちの間で円満に解決できただろう。よって、被告は無罪とする。裁判所は両親に被告を指導するよう委ねる」と述べ、異例の常識的裁断で、小学校3年生のユスフ被告に無罪を言い渡した。

 ユスフ被告は前年3月、通学していた学校近くのココナッツジュース屋台で周囲を飛んでいたハチの群れの中から1匹を捕まえ、クラスメートの女の子の左ほほにハチの針を刺したことから、激怒した女児の両親が警察に通報した。

 被告の母親は判決文が読み上げられると涙をこぼし、「判事の決定に満足しています。きちんと子どもの面倒をみます」と報道陣に話した。

 インドネシアの司法制度は汚職がまん延し、一貫性のないことで悪名高い。コンサルタント企業「Political and Economic Risk Consultancy」が2008年に外国企業の幹部を対象に行った調査によると、インドネシアの司法制度はアジア13か国の中で最下位だった。(c)AFP