【1月25日 AFP】2010年サッカーW杯南アフリカ大会(2010 World Cup)と「オバマ効果」で、旅行先としてアフリカの人気が高まっている。スペイン・マドリード(Madrid)で24日まで開催されたFITUR国際観光見本市で、関係者らが明らかにした。

■「観光不況」しり目に5%の伸び

 国連(UN)の世界観光機関(World Tourism OrganizationUNWTO)が前週発表した「世界観光指標(World Tourism Barometer)」によると、2009年にアフリカを訪れた海外からの旅行客数は5%増加した。

 一方、同年の全海外旅行客数は、経済危機や新型インフルエンザ(H1N1)流行の影響を受け前年比4%減少しており、「人々のアフリカ志向が目立つ」とUNWTOのラファイ(Taleb Rifai)事務局長。アフリカ旅行は「世界的なトレンド」だという。

■サッカー観戦ついでにサファリ観光ツアー

 英国・ロンドン(London)に拠点を置くアフリカ旅行観光協会(Africa Travel and Tourism AssociationATTA)のナイジェル・ヴェレ・ニコル(Nigel Vere Nicoll)会長は、W杯の影響は「とてつもない」と、32か国が参加しアフリカ大陸で初開催となるサッカーの祭典に期待を寄せる。

 ATTAは、南アフリカを訪れるサッカー観戦客に、ついでに近隣諸国まで足を延ばしてもらう観光キャンペーンに注目している。ザンビアとジンバブエで取り組みが行われているという。ただ、「実際にうまくいくかどうかはわからない。サッカー観戦に来た旅行客が、果たして余計な金を費やしてサファリ観光に行くかどうか…」とニコル会長はやや慎重なところも見せた。

■ケニアは「オバマ効果」に期待

 一方、アフリカの一部諸国の旅行業界は、大きく異なる方法で米国からの旅行者誘致を試みている。アフリカ系で初めて大統領に就任したバラク・オバマ(Barack Obama)米大統領の効果を狙っているのだ。

 オバマ大統領の父親はケニア出身。オバマ氏が選出された2008年の米大統領選挙の前後で、ケニアでは米国からの旅行者が増加したという。

 ケニア西部にあるオバマ大統領の父親の生地コゲロ(Kogelo)村は、ビクトリア湖(Lake Victoria)近郊。周辺は国立公園とあって、コゲロには新たな一大観光業界が形成されつつある。(c)AFP/Denholm Barnetson