【1月24日 AFP】(一部更新、写真追加)12日(日本時間13日)に大地震が発生したハイチの首都ポルトープランス(Port-au-Prince)で、地震発生から11日目の23日、倒壊した食料雑貨店「ナポリタン(Napolitain)」から新たに20代前半の男性1人が救出された。

 がれきからこの男性の声が聞こえるとの情報を、この男性の家族から受けたギリシャの救助隊が国連(UN)に通報。国連の要請を受けたフランスと米国の救助隊も加わって救助にあたっていた。

 フランスの消防士ががれきから男性を掘り出して道路に横たえると、現場にいた3か国の救助隊から拍手がわき上がった。男性はストレッチャーに乗せられ、2人の兄弟とともに待機していた救急車で市内にフランスが設置した医療施設に向かった。

 救出されたのはWismond Exantusさん(25)。病院でAFPの取材に応じ、店内にあったコカコーラ(Cola Cola)を飲むなどして生きながらえていたと語った。

「今の気分はいいです。コーラを飲んで生き延びることができた。毎日コーラを飲んで、スナックも少し食べました」とExantusさんは話している。職場だった倒壊した食料雑貨店のがれきに11日にわたって閉じこめられていた。地震が発生したときの状況については、「大きな揺れを感じて、その次の瞬間には気を失っていた。意識が戻ると同僚に大声で呼びかけた」と話した。

 がれきのなかで左右に多少は動くことができ、物を叩きつけて音で近くの人に気づいてもらおうと思ったが、自力で脱出することはできなかったという。

 エグザンタスさんによると、同じ場所にあと5人が生存していたという。救助隊は生存者がいる様子はないが、近くの別の場所に生存者がいる可能性はあるとしている。

 この救出劇に先立ち、国連のスポークスマンは、ポルトープランスでは62の捜索救助隊が活動中で、132人の生存者を救出したと発表していた。

 ハイチ政府は22日午後4時(日本時間23日午前6時)をもって捜索・救助活動の終了を宣言したが、2日前に救助隊を増派したフランスは少なくとも2月中旬までは捜索救助活動を行う態勢を維持するとしている。(c)AFP/Dave Clark