【1月13日 AFP】英国のイラク戦争参戦問題を検証する独立調査委員会の公聴会で12日、トニー・ブレア(Tony Blair)前首相の側近、アラステア・キャンベル(Alastair Campbell)元報道担当補佐官が証言を行い、イラクが化学・生物兵器を45分以内に配備できるとした報告書を「脚色」したとされる疑惑について、否定した。

 キャンベル氏は、この報告書について、「もっと明確に」した方がよかったのかもしれないとしながらも、挑戦的な姿勢で報告書の「一言一句」、そしてイラク進攻自体も正当化した。

 この報告書は、2002年9月に英政府がイラクをめぐる懸念を説明するために発表したものであり、発表から6か月後に英国はイラク進攻に参加した。英国放送協会(BBC)はその後、キャンベル氏が報告書を「脚色」したと報道。英政府に対する非難の声が高まっていた。

 このBBC「脚色」報道の情報源だと見られていたのが、英国防省の兵器専門家デビッド・ケリー(David Kelly)博士で、複数の関係者によってケリー氏がいくつかの報道の情報源であることが確認されている。同博士はその後、自宅近くで手首が切られた状態で遺体となって発見された。

 遺体発見から1か月後の2003年8月、キャンベル氏は家族との時間を持ちたいとの理由で政府の職を辞任した。ケリー氏に関する公式調査の結果、キャンベル氏はこの問題に関与していないと結論付けられている。現在行われている調査は、ケリー氏についての問題は扱っていない。(c)AFP/Katherine Haddon