【1月11日 AFP】イスラエルで8日、アラブ系イスラエル人の村アブゴッシュ(Abu Ghosh)にシェフ50人が集結し、伝統料理「フムス」(ひよこ豆のペースト)作りのギネス世界記録(Guinness Book of World Records)を達成した。出来上がったフムス4087.5キロは、後援団体らが用意した直径6メートルの衛星放送用パラボラアンテナに盛られた。

 フムス作りの世界記録は、外交・料理の両面でイスラエルのライバルである隣国レバノンが、前年10月に達成したばかり。だが、今回作られたフムスの量は、レバノンの倍以上だ。ギネス審査員のジャック・ブルックバンク(Jack Brookbank)氏によると、イスラエルのギネス記録達成をうけて、レバノンはただちに世界記録奪回の準備に着手したという。

 フムスは、ひよこ豆、ゴマ、オリーブ油、レモン汁、ニンニクをペースト状にした、シンプルながら味わい深い料理。中東全域で食されており、フムスへの情熱から、時には正当性をめぐって対立が起きることもある。

 最近ではレバノンが、フムスはレバノンの伝統料理との承認を欧州連合(EU)から得ようと試みたが、イスラエルのフムス愛好者らは、これを「パンの知的所有権を申請するようなものだ」と一笑に付した。(c)AFP/Patrick Moser