【1月6日 AFP】米中央情報局(Central Intelligence AgencyCIA)要員7人とヨルダン人情報機関高官1人が死亡した、アフガニスタン東部ホースト(Khost)州の米軍基地で発生した自爆攻撃について、実行犯が国際テロ組織アルカイダ(Al-Qaeda)の二重スパイだったことが明らかになった。これを受け、米国のアフガニスタンでのテロ対策措置に注目が集まっている。

 複数のイスラム過激派系ウェブサイトは5日、自爆攻撃の実行犯はアルカイダの二重スパイで、欧米情報機関を数か月にわたり欺いていたことを明らかにした。

 米NBCニュースがイスラム過激派系ウェブサイトと欧米情報要員の情報として伝えたところによると、ヨルダン人の男はアルカイダのナンバー2、アイマン・ザワヒリ(Ayman al-Zawahiri)容疑者の身柄確保を支援する目的で、ヨルダン情報機関がアフガニスタン東部に連れてきたという。

 だが、男は基地内で自爆し、ヨルダン側担当者にあたる情報機関幹部で王族の男性1人を含む8人を殺害した。この攻撃は、1回の攻撃で死亡したCIA要員の数としては1983年のベイルート(Beirut)爆破事件以来最悪となった。

 男は2007年に逮捕されたが、ヨルダンの情報機関が二重スパイとして雇ったという。一方、匿名のヨルダン当局高官は、男が実行犯だという証拠はないと主張し、男は重要な情報を提供していたとしている。

 ウェブサイト「Ana Muslim」によると、男はザワヒリ容疑者に関する緊急情報があるとしてCIAの基地に入ったという。CIA要員が「彼はわれわれの仲間だから(セキュリティーチェックは)いらない」と主張したため、男は基地内にチェックを受けることなく入れたという。

 一方、アフガニスタンに駐留する北大西洋条約機構(North Atlantic Treaty OrganisationNATO)軍および米軍の情報機関トップのマイケル・フリン(Michael Flynn)少将は、米主導の部隊は正確な現場情報に「飢えて」おり、隊員の多くが自身の任務は「占い」のようなものだと感じていると批判する報告書を発表している。(c)AFP/Jo Biddle