【1月5日 AFP】アラブ首長国連邦(UAE)のドバイ(Dubai)は多くの超大型プロジェクトの歴史があり、4日に落成した世界一の超高層ビル「ブルジュ・ドバイ(Burj Dubai)」はそのほんの一端に過ぎない。

 08年末まで、ドバイでは、950億ドル(約8兆7500億円)規模のニュータウン「ジュメイラ・ガーデンズ(Jumeirah Gardens)」や280億ドル(約2兆6000億円)規模の高さ1キロメートルの超高層ビル「ナキール・ハーバー&タワー(Nakheel Harbour and Tower)」が計画されていた。

 巨大リゾート人工島「パーム・ジュメイラ(Palm Jumeirah)」開発計画では、ヤシの木(パームツリー)型の人工島に多数のマンションや住宅、高級ホテルが建設された。

 客室1539室の超大型高級ホテル「アトランティス・ザ・パーム(Atlantis, The Palm)」は観光地となり、超豪華ホテル「ブルジュ・アルアラブ(Burj Al-Arab)」は世界で唯一の7つ星ホテルだ。

■世界金融危機で一時中止の計画も

 しかし、ヤシの木型の人工島パーム・ジュメイラは、計画された3島のうち、まだ1島しか完成していない。また、世界地図の形をした約300の人工島群「ザ・ワールド(The World)」は完成にほど遠い段階だ。

 640億ドル(約5兆9000億円)規模の巨大テーマパーク「ドバイランド(Dubailand)」は、開発が一時中止となった。

 市場調査の専門家らの推計によれば、アラブ首長国連邦の開発計画の45%にあたる5820億ドル(約54兆円)相当の計画が、世界的な金融危機を受けて一時中止となっている。

■完成した施設、完成予定の施設も多い

 とはいえ、以前から進められていた開発の中には、完成にこぎ着けたものも多い。

 たとえば、住居2万戸、事務所5万戸、来客用宿泊施設3500室、レストラン100店、ショッピングセンター2つが入った複合施設フェスティバル・シティ(Festival City)などだ。

 05年にオープンした複合施設「モール・オブ・ジ・エミレーツ(Mall of the Emirates)」も、観光客に人気だ。この施設には、世界最大の室内スキー場「スキー・ドバイ(Ski Dubai)」もある。

 100万平方メートルのショッピングモール「モール・オブ・アラビア(Mall of Arabia)」は、2016年に完成予定だ。

 年間約1億2000万人の利用が予測されるドバイ第2の空港、マクトム国際空港(Al-Maktoum International)は、2010年半ばまで完成予定が延期された。ジュベルアリ(Jebel Ali)港そばの立地で、年間1200万トンの貨物を取り扱う貨物ターミナルを併設する330億ドル(約3兆円)の複合施設として計画されている。(c)AFP