【12月31日 AFP】ロシア宇宙庁のアナトーリ・ペルミノフ(Anatoly Perminov)長官は30日、小惑星アポフィス(Apophis)の地球衝突を回避するため、専門家による対策委員会を開く計画を明らかにした。

 ロシア通信(RIA Novosti)によると、アポフィスは直径約350メートルの小惑星で、2036年に地球近くを通過するとみられ、この際に地球に衝突する可能性があるとされる。衝突すると、ほぼフランスと同じ面積の砂漠ができるという。

 ペルミノフ長官は、国営ラジオ「ロシアの声(Voice of Russia)」に対し「2036年のアポフィス地球衝突を防ぐ手段を協議するため、専門の科学者を集めた委員会を非公開で行う」と発表。「衝突回避システムの構築に多額の費用がかかるとしても、衝突が起きるまで何もせずに大勢の死者を出すよりはずっとましだ」と話した。また、欧州、米国、中国などの宇宙研究専門家も参加する国際プロジェクトとなる可能性も示唆した。

 インタファクス(Interfax)通信によると、ペルミノフ長官は衝突回避策の1つの案として、アポフィスの軌道をそらす目的に特化した装置の開発をあげた。核爆発を用いることはないという。

 ロシア通信は、アポフィスは2029年に地球から3万キロ付近を通過すると説明。この距離は静止衛星よりも地球に近いため、軌道がずれてその7年後に地球に衝突する可能性があるとされている。

 一方、米航空宇宙局(NASA)が10月からウェブサイトに掲載している情報によると、以前のデータではアポフィスが2036年4月13日に地球に衝突する確率は4万5000分の1だったが、最新のデータを使ってアポフィスの軌道を再計算したところ、衝突の確率は25万分の1にまで低下したという。(c)AFP