【12月28日 AFP】イラク北部の駐留米軍部隊で、同部隊に所属する兵士に対し「妊娠禁止令」が出されたが、米軍は26日までにこの命令を撤回した。女性兵士が妊娠した場合や男性兵士が女性兵士を妊娠させた場合は、軍法会議にかけて裁くという内容の命令をめぐっては、波紋が拡がっていた。

「妊娠禁止令」を出したのはイラク北部の駐留米軍を統括するアンソニー・クロコ(Anthony Cucolo)少将で、男女双方の兵士を対象とし、違反した場合には軍法会議にかけて刑事責任を問う可能性もあるとしていた。しかし、結婚している男女についても規定違反とみなすなどの内容で、命令に対する抗議が起こるなど問題化。これについて国防総省は、統括下にある兵士に対し、司令官はその行為を規定する命令を出すことができると説明していた。

 米軍では女性兵士が妊娠した場合は本国に帰還させられる。このためクロコ少将は、イラク駐留兵士は貴重であり、その数を減らしたくないために命令を発令したと釈明している。クロコ少将の配下には現在2万2000人がいるが、うち女性兵士は約1700人だという。

 イラクには現在、全体で約11万5000人の駐留米軍がいるが、2010年8月末までに5万人まで削減し、2011年末までに全面撤退する計画となっている。(c)AFP