【12月25日 AFP】新型インフルエンザA(H1N1)はさまざまな人にさまざまな方法で感染するが、死因は急性の肺損傷であることが多いという研究結果が24日、米医学誌「American Journal of Respiratory and Critical Care Medicine」に発表された。

 ブラジルのサンパウロ大学(Sao Paulo University)などは、サンパウロで今年7~8月に新型インフルで死亡した1歳から68歳までの21人を解剖して詳しい死因を調べた。このような研究は世界で初めてだという。

 21人全員の死因は重度かつ急性の肺損傷だったが、急性の肺損傷のみを起こした人、壊死性の細気管支炎も起こした人、出血が見られた人の3つのパターンがあることが分かった。

 壊死性の細気管支炎も起こした症例では新型インフルエンザウイルス以外にバクテリアにも感染していたケースが多く、肺に出血が見られた症例では心臓病やがんを患っていたケースが多かった。

 また、21人中16人が心臓病やがんなどの持病を持っていた。研究チームは、基礎疾患のある患者は新型インフルが重症化するリスクが高いため、適切に監視する必要があるとしている。(c)AFP