【12月23日 AFP】スペイン政府は、アルビノ(先天性白皮症)であるがゆえに迫害されているとして難民申請していた22歳のマリ人男性について、18日に難民と認定した。このようなケースで認定されるのは初めて。スペイン紙パイス(El Pais)が22日報じた。

 アブドゥラエ・クリバリ(Abdoulaye Coulibaly)さんは今年3月、スペイン領カナリア諸島(Canary Islands)に不法に上陸し、スペイン政府に難民申請した。この申請については、自身もアルビノであるマリの歌手サリフ・ケイタ(Salif Keita)も強力に後押ししていた。

 同紙によると、クリバリさんはマリの首都バマコ(Bamako)で、呪術師に2度にわたって誘拐されそうになった。「わたしの体を使うためです。彼らが儀式で用いるためにアルビノの指や手を切断していたことをわたしは知っていました」

 アルビノに関する迷信は、アフリカのいくつもの共同体で何世紀にもわたり根強く残っており、「お守り作り」のために切断されたアルビノの体の一部が数万ドル(数百万円)という高値で取引されることもある。

 タンザニアとブルンジでは、この2年間に50人以上のアルビノが殺害されるとともに遺体が切断されている。

 クリバリさんは、マリに残っているアルビノの2人の兄弟もスペインに呼び寄せたいと考えている。

 サリフ・ケイタと国際赤十字社・赤新月社連盟(International Federation of Red Cross and Red Crescent SocietiesIFRC)は前月、アフリカ各国政府に対し、アルビノ保護対策と呪術師の取り締まり強化を求める共同アピールを出した。(c)AFP