【12月19日 AFP】米インターネット検索大手グーグル(Google)が進める書籍電子化をめぐりフランスの出版社などが起こした損害賠償請求訴訟で、パリ(Paris)の裁判所は18日、「書籍の電子化にあたっては著作権者の許諾が必要」との判断を示し、グーグルに30万ユーロ(約3900万円)の支払いを命じる判決を下した。

 この訴訟は、仏出版大手Editions du Seuilなどを傘下に持つ仏出版グループ、マルティニエール(Martiniere)などが3年前に起こしたもので、同社の著作物多数が承諾を受けることなく電子化されているとして、グーグルに1500万ユーロ(約19億5000万円)の損害賠償を求めていた。

 裁判所は、グーグルによる書籍の電子化は著作権侵害にあたり、Editions du Seuilらマルティニエール傘下の3出版社に損害を与えていると判断し、損害賠償の支払いを命じた。また、フランスの出版組合や作家協会に対しても象徴的な損害賠償として1ユーロ(約130円)の支払いを命じた。

 グーグルは控訴する方針だが、マルティニエールグループの書籍およびフランスの著作権法で保護される書籍について電子化を中止することに同意した。(c)AFP/Dorothee Moisan