【12月9日 AFP】英ロンドン(London)のクリスティーズ(Christie's)で8日に行われた芸術界の巨匠と19世紀のアートを扱ったオークションで、レンブラント(Rembrandt)とラファエロ(Raphael)の作品がこれまでの記録を塗り替える高額で落札された。

 レンブラントの作品「Portrait of a Man, Half-length, with His Arms Akimbo」は、これまで個人が所有しており40年ぶりに公開された。

 レンブラントが創意溢れていた時期、1658年に制作されたこの作品には、手を腰に置き挑戦的なポーズを取る男性が描かれている。

 落札額は2020万ポンド(約29億円)。クリスティーズによれば、競売で落札されたレンブラント作品としては最高額で、巨匠たちの作品としても歴代5位の高額だという。

 これまでのレンブラント作品の最高額は、2000年12月にロンドンのクリスティーズで落札された「Portrait of a lady aged 62」で、その額は1980万ポンド(約28億円)だった。

 ラファエロのデッサン「Head of a Muse」には、競売で落札された紙の絵画としては史上最高額の2920万ポンド(約42億円)の値が付いた。予想落札額の約2倍でもあった。

 一般公開されたのは50年ぶり、一般のオークションに出品されたのは150年ぶりというこの作品は1508年に描かれたもので、ラファエロの有名なフレスコ画「パルナッソス(Parnassus)」の下書きとなったものだ。ラファエロは「パルナッソス」を含め、ローマ教皇ユリウス2世(Pope Julius II)に招かれ、バチカン宮殿の署名の間(Stanza della Segnatura)に4つの作品を残している。

 紙に描かれた作品としてこれまで最高額を付けていたのは、2008年11月に米ニューヨーク(New York)で落札されたエドガー・ドガ(Edgar Degas)のパステル画で、落札額は3700万ドル(約33億円)だった。

 この日はそのほかに、ドメニキーノ(Domenichino)の絵画「Saint John the Evangelist」も出品され、同画家の作品としては歴代最高額の920万ポンド(約13億円)で落札された。

 出品された作品は全部で数十点。世界規模の不況にもかかわらず、落札額の合計は予想を上回る6840万ポンド(約98億円)に達した。(c)AFP