【11月24日 AFP】ボツワナのオカバンゴ・デルタ(Okavango Delta)を徘徊(はいかい)するゾウたちは、観光客らを喜ばせているが、地元の農民たちはハラハラしながら見ている。ゾウたちが貴重な作物を踏みつぶしてしまうため、食べるものがほとんどなくなってしまうというありさまなのだ。

 そんな農民たちが、ゾウたちを近づけないための安全な武器を新たに手にすることになった。それは「トウガラシ」だ。
 
 トウガラシを作物の周囲に植える、トウガラシを塗った布きれをフェンスに巻く――。今月に入り、農民たちはその刺激臭でゾウを撃退せんと、トウガラシのさまざまな使用法を試しているところだ。細かくくだいたトウガラシに肥料を混ぜてれんがの形にした「トウガラシ爆弾」なるものも作られている。乾燥したら発火するという仕組みで、その煙でゾウの前進を阻むという。

 前週には、トウガラシを効果的に使用するための政府主催の講習会も開催された。「トウガラシのおかげで今月の作物の被害は減らせそうだ」と農民たちの表情は明るい。

 トウガラシ撃退法には、一石二鳥の効果もある。作物を収穫したあとで一部のトウガラシは国内外へ売られることになり、地域社会にとっては新たな収入源となるのだ。

 ボツワナのゾウの個体数は、保護活動が功を奏して現在は15万頭以上を数える。だが、個体数の増加は人との衝突の機会が増えることを意味する。

 同様のゾウ対策はナミビアとザンビアでも導入されており、いずれも効果が上がっているという。(c)AFP/Refentse Tessa