【11月9日 AFP】フランスで1160万ユーロ(約16億円)とともに逃走したと疑われている現金輸送車の運転手が、インターネット上で「スター」となりつつある。

 前週5日朝、仏中部リヨン(Lyon)で銀行の現金を輸送中、同僚2人が車を離れている間に輸送車ごと姿を消したのは、スウェーデン系警備会社ルーミス(Loomis)に雇われているトニ・ムスラン(Tony Musulin)運転手(39)。

 当時、輸送車にはフランス中央銀行(Bank of France)から積み込んだ紙幣49袋分があったが、3時間後に輸送車は空となって周辺の地域で発見された。警察ではムスラン運転手が現金を強奪したものとみて、翌日から欧州全域を対象に行方を追っている。

 米ソーシャル・ネットワーク・サービス(SNS)のフェースブック(Facebook)では事件が話題となり、この話題専用の複数のグループが立ち上がった。そのひとつ「トニ・ムスランを大統領に」では、「この1160万ユーロできっと経済危機を解決してくれる」といったユーモラスなコメントが寄せられ、「トニ・ムスラン・ファンクラブ」というグループでは「武器不使用、非暴力」による「英雄」だとたたえている。

「トニ、世界はあなたのもの:2009年ベスト運転手」というページには、事件を「今世紀最高の強盗」と表現するようなコメントが、途切れることなく書き込まれている。(c)AFP