【11月2日 AFP】米ラジオ局が任天堂(Nintendo)家庭用ゲーム機「Wii(ウィー)」を景品として開催した水飲みコンテストに参加中に死亡した女性について、カリフォルニア(California)州裁判所は10月29日、ラジオ局に対し、遺族らに1657万ドル(約15億円)の賠償金を支払うよう命じた。

 3児の母、ジェニファー・ストレンジ(Jennifer Strange)さん(28)は、2007年にFMラジオ局KDND-FMが開催したコンテスト「ウィー(おしっこ)をがまんしてWii(ウィー)を獲得しよう(Hold Your Wee For a Wii)」に出場後、死亡した。

 コンテストは、排尿もおう吐もせずに、最も多くの水を飲んだ人にWiiを授与するという内容だった。

 検視官は、ストレンジさんの死因を水中毒によるものだと断定した。刑事責任は問われなかったが、ストレンジさんの遺族がラジオ局を相手取り、3400万ドル(約31億円)の支払いを求めて訴訟を起こした。

 ラジオ局側の弁護団は、ストレンジさんの死は予測不可能だった上に「寄与過失」があると主張したものの、陪審員団はストレンジさんの夫と3人の子どもに1657万ドル支払うよう命じる評決を言い渡した。

 コンテストは、約225ミリリットル入りボトルの水を15分間隔で飲むというルールで行われ、排尿せずに最も多くの水を飲んだ参加者が優勝者となるというものだった。

 ストレンジさんは、コンテスト参加の数時間後に、頭痛がするといって職場を早退して自宅に戻り、その後死亡しているところを発見された。

 水中毒は、急速な水分摂取により、体内の電解質バランスが変化することで起きる。脳腫脹や発作、昏睡状態を起こす危険性があり、死亡する場合もある。(c)AFP