【10月27日 AFP】乗客乗員152人を乗せた米ノースウエスト航空(Northwest Airlines)機が目的地の空港を240キロも通り過ぎた問題で、米国家運輸安全委員会(National Transportation Safety BoardNTSB)は26日、パイロット2人が社内規則に違反し機内でノートパソコンを使用していたことを明らかにした。

 21日、カリフォルニア(California)州サンディエゴ(San Diego)からミネソタ(Minnesota)州のミネアポリス・セントポール国際空港(Minneapolis-St Paul International Airport)に向かっていたエアバス(Airbus)A320型機は高度1万1300メートルを飛行中、78分間にわたり管制官との交信が途絶え、交信が回復した時には目的地の空港を240キロも通り過ぎていた。

 同機の53才と54才のパイロットは、総飛行時間がそれぞれ2万時間と1万1000時間のベテランで、事故やミス、規則違反などの記録はなく、健康上の問題もなかったという。パイロットはNTSBに対し、当初原因としてメディアが報じていた、航空会社の経営方針について白熱した議論を行い注意がそがれたとの説を否定した。

 NTSBによると、パイロット2人は「しばらくの間、議論に集中」しており、ラジオは聞いていたものの、計器類や管制官からの呼びかけには注意を払っていなかったと語った。また、自社のデルタ航空(Delta Airline、ノースウエストの親会社)からの呼びかけにも応じず、買収による新たな勤務スケジュールについて話し合いながら、ノートパソコンを使っており、「時間がたつのも忘れていた」(NTSB調査官)という。その後、客室乗務員に着陸時間を尋ねられてようやく失態に気づき、管制官に連絡をとって目的地に引き返したのだという。

 NTSBによると、パイロットの説明はボイスレコーダーの録音とも合致しているという。(c)AFP



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