【10月14日 AFP】カナダ出身のコレクターが所有している女性の肖像画が、レオナルド・ダ・ヴィンチ(Leonardo da Vinci)の未確認の作品である可能性が出てきた。同肖像画にダ・ヴィンチのものと見られる指紋が残されているという。

 フランス・パリ(Paris)の光学系ハイテク企業のルミエール・テクノロジー(Lumiere Technology)は1月、カナダ出身のピーター・シルバーマン(Peter Silverman)さんが所有するインクとチョークで描かれた同作品に左手の指紋が残されているのを発見。その指紋がバチカンにあるダ・ヴィンチ作品に付いている指紋と「酷似」していることが確認された。

 ルミエールがオックスフォード大学(Oxford University)のマーティン・ケンプ(Martin Kemp)教授にこの発見を提示したところ、教授は作品をダ・ヴィンチのものだと考えたという。本物となればその価値は数千万ユーロになる。シルバーマンさんは数年前に同作品を購入した際、19世紀初頭の絵画だと言われていたという。

 ケンプ教授によれば、肖像画に描かれた髪を1つにまとめた女性は、15世紀のミラノ公ルドヴィーコ・スフォルツァ(Ludivico Sforza)の娘ビアンカ・スフォルツァ(Bianca Sforza)ではないかという。ルミエールは2007年から放射性炭素年代測定法や赤外線などを使用して、この絵画を徹底的に分析していた。(c)AFP