【10月8日 AFP】米ワシントンD.C.(Washington D.C.)の国立公園ナショナル・モール(National Mall)で8日、2年に1度行われる太陽光発電住宅(ソーラー住宅)の大学間コンテスト、「ソーラー・デカスロン(Solar Decathlon、太陽光10種競技の意)」が始まった。

 カナダ、ドイツ、スペイン、米国など20大学の学生チームが設計・建設したソーラー住宅を、美観から技術面、カップル2人の家庭に必要な湯を温水装置が提供できるかなど、10種類の項目で評価し、最も優秀なソーラー住宅を選ぶ。開催期間は1週間で米エネルギー省(Department of Energy)が主催。欧米の現代生活に欠かせない利便性を備えているかどうかと同時に、米国の平均的な住宅よりもエネルギー消費量が低いことがポイントだ。

 米ルイジアナ大学(University of Louisiana)のチームは、米南部のケイジャン文化にインスパイアされた、ハリケーンにも強いソーラー住宅を出品。厚さ14センチの断熱壁は、風速58メートルの風にも耐えると同時に、太陽光発電で作られたエネルギーの省エネ効果もある。

 2007年の優勝者ドイツ・チームは、外壁とよろい窓をたくさんの小さなソーラーパネルで覆った前回の作品をさらに進化させた。外壁のソーラーパネルに加え、立ち上がり式の大きな可動パネルを使用しているのがスペイン勢だ。どちらのチームも大西洋を越えて会場にソーラー住宅を持ち込んだ。

 また「家でのエンターテインメント」を評価する項目もあり、各チームは自分の地域を代表する料理をソーラーエネルギーで調理してライバルチームに振る舞う。ドイツチームはジャガイモで作る団子「クヌーデル」、メキシコに近い米アリゾナ大学(University of Arizona)のチームは、中南米風にトウモロコシの皮で具を包んだ「タマレス」をソーラーエネルギーで作る。(c)AFP/Karin Zeitvogel