【10月5日 AFP】韓国国防省は5日、議会に提出した報告書の中で、北朝鮮が2500~5000トンの化学兵器と、生物兵器に使われる13種類のウイルス・細菌を保有していると可能性があることを明らかにした。報告書は北朝鮮を、世界最大の化学・生物兵器保有国の1つだとしている。

 生物兵器によって引き起こされる疾病としては、コレラや黄熱病、天然痘、発疹チフス、腸チフス、赤痢などが上げられている。

 北朝鮮が核兵器や通常兵器のほかに、化学・生物兵器も保有しているという指摘はこれまでにもあったが、生物兵器の詳細について言及されている点で今回の報告書は目新しい。

 ベルギー・ブリュッセル(Brussels)に本部を置くシンクタンク「国際危機グループ(International Crisis GroupICG)」は6月、北朝鮮の核能力を最大の脅威とする一方で、大量の化学兵器を保有し、生物兵器の開発を進めている疑いがあると指摘した。

 ICGによると、北朝鮮が保有する化学兵器はマスタード・ガスやホスゲン、血液ガス、サリン、タブンなどで、長距離砲やミサイル、航空機、艦船などで運搬可能。砲弾やミサイルを使って韓国に大規模な被害を及ぼすと可能性があるという。(c)AFP