【9月30日 AFP】台風16号「ケッツァーナ(Ketsana)」による大きな被害を受けたフィリピンで、マイクロブログサービス「ツイッター(Twitter)」やソーシャル・ネットワーク・サービス(SNS)「フェースブック(Facebook)」、携帯電話などが「命綱」となった。

 26日、フィリピン各地は9時間におよぶ豪雨に襲われ、多くの人びとが屋根の上で助けを待たざるを得ない状況に追い込まれた。ITに明るい人たちは、携帯電話や携帯メールを使って救助を求めたり、友人に状況を伝えたりした。

 また、近づかない方が良い場所などがツイッターやフェースブックに投稿され、政府当局もオンラインの情報は政府の情報より速く、信頼できると評価したほどの活躍ぶりだった。

 地元の民放テレビ局ABS-CBNは衛星画像サービス「グーグル・アース(Google Earth)」を用い、同局のウェブサイト上で救援が必要な場所を示した。

 同国の人気女優でモデルのクリスティーン・ライズ(Cristine Reyes)さんが、携帯メールなどのおかげで浸水した首都マニラ(Manila)の自宅の屋根から救助されたことは、多くのブログに掲載された。有線の電話網が乱れたため、ライズさんのマネジャーが携帯電話でメールを送信し、ライズさんの窮状を訴えたのだ。その後、まるでテレビ番組のように俳優のリチャード・グティレス(Richard Gutierrez)さんが現場におもむき、彼女を救出した。

 フェースブックは、「現在フィリピン全国赤十字(Philippine National Red CrossPNRC)本部のボランティアは間に合っています」といった具合に、ボランティアに人手や物資が必要な避難キャンプ、逆に間に合っているキャンプを示すのに活用された。

 さらに、フェースブックやツイッターには水没した車の引き揚げ方、エンジンのかけ方、保険の請求の仕方などのコツも投稿されている。(c)AFP/Cecil Morella