【9月17日 AFP】1960年代にベトナム反戦などを訴えて活躍したフォークグループ「ピーター・ポール&マリー(Peter, Paul and Mary)」のメンバー、マリー・トラバース(Mary Travers)さんが16日、白血病のため米コネチカット(Connecticut)州ダンベリー(Danbury)の病院で死亡した。72歳。トラバースさんの広報担当者が同日、明らかにした。

 トラバースさん、ピーター・ヤロウ(Peter Yarrow)さん、ポール・ストゥーキー(Paul Stookey)さんの3人からなる「ピーター・ポール&マリー」は、3人のハーモニーと政治的なメッセージを訴えるスタイルで1961年、米国のフォークシーンに登場した。

 ニューヨーク(New York)グリニッジ・ビレッジ(Greenwich Village)のコーヒーハウスから生まれた同グループは、「天使のハンマー(If I had a Hamme)」、「レモンツリー(Lemon Tree)」、「花はどこへ行った(Where Have All the Flowers Gone?)」、「パフ(Puff the Magic Dragon)」など次々とヒット曲を出し、スターダムへと駆け上った。

 フォークというスタイルにもかかわらず、商業的にも成功し、1962年のセルフタイトルのデビューアルバムは200万枚以上を売り上げチャート1位に輝いた。ちなみにシングルで1位となったのは「悲しみのジェットプレーン(Leaving On A Jet Plane)」(1969年)の1枚。

 ボブ・ディラン(Bob Dylan)が作詞作曲した「風に吹かれて(Blowin' in the Wind)」も有名で、3人は1963年のワシントン大行進でこの曲を演奏している。

 1970年に解散し3人がそれぞれソロ活動を行ったが、グループほどの成功には至らなかった。トラバースさんは活動家となった。旧ソ連からの移住を拒否されたロシアのユダヤ人のために声を上げ、中米の人権問題を訴え、南アフリカのアパルトヘイトに反対した。

 3人はしばしば再結成してコンサートを行ったが、2004年にトラバースさんが白血病と診断されると、しばらく活動を休止した。

 トラバースさんはその後骨髄を移植し(その副作用が死亡につながったと広報担当者は話している)、今年の5月まで活動を続けていた。

 ヤーロウさんは、トラバースさんは「悪化する健康状態に、想像しうる限り最も勇気ある寛大な方法で対処した」とコメントを出した。トラバースさんは歌う力を奪う病気について決して不満は言わず、ステージでは正直に真実を歌い上げたという。

 またストーキーさんは、「活動家として、彼女は勇敢で積極的で人びとを奮い立たせた。歌手として、彼女のカリスマ性は抑えることのできない苛立ちのエネルギーにあった」とコメントしている。(c)AFP