【9月12日 AFP】ベネズエラのウゴ・チャベス(Hugo Chavez)大統領は11日、スペインのフアン・カルロス1世(Juan Carlos I)国王と会談し、カルロス1世が最近伸ばし始めたひげについて「フィデル・カストロ(キューバ前議長)のようだ」と冗談を飛ばした。2人が会談するのは、2007年に会議の席上でカルロス1世国王がチャベス氏に「黙れ」と一喝して以降、2度目となる。

 会談前、「フィデルのようにひげを伸ばした」とチャベス大統領が述べたのに対し、夏の休暇でマヨルカ(Majorca)島に滞在中にひげを生やしたカルロス1世は、「少しばかり見た目を変えるためにね」と返答した。

 2007年11月にチリで開催された第17回イベロ・アメリカ首脳会議(Ibero-American summit)で、スペインのホセ・ルイス・ロドリゲス・サパテロ(Jose Luis Rodriguez Zapatero)首相の演説を繰り返しさえぎっていたチャベス大統領に対し、カルロス1世国王が「いいかげん黙ったらどうだ」としかりつけ、両国の外交問題に発展していた。

 国王の怒りの発言はスペイン語圏で流行のキャッチフレーズとなり、Tシャツなどにプリントされただけでなく、携帯電話の着信音にまでなって数百万人にダウンロードされた。また、国王に怒鳴りつけられた直後、チャベス大統領は、「黙れ」と発言したことに対し国王が謝罪するまでスペインとの外交関係を凍結すると警告した。

 しかし、両者は08年7月、関係修復に向けて、カルロス1世が休暇中のマヨルカ島の宮殿で会談。カルロス1世はキャッチフレーズとなった国王の発言がプリントされたTシャツをチャベス氏にプレゼントし、チャベス氏は首脳会議での出来事について「今後一生にわたって、一緒に笑い合えるような出来事」と語った。

 チャベス大統領は11日、サパテロ首相とも会談した。(c)AFP

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