【9月11日 AFP】カナダに暮らす先住民族イヌイット(Inuit)の約200人が10日、オタワ(Ottawa)で、イヌイットの自殺防止対策を強化するよう政府に求めるデモを行った。

 イヌイットの代表者メアリー・サイモン(Mary Simon)会長は今年3年目を迎えたこのデモに合わせて出した声明で、カナダは国家規模の自殺防止策が取られていない世界でもごく少数の国の1つだと指摘した。

 カナダのイヌイットの自殺率は高い。2001年のカナダ保健省の調査によると、イヌイットの自殺者は10万人あたり135人で、カナダ全体の10万人あたり12人の11倍を超えた。また若者の自殺率が高く、イヌイットの自殺者の83%は30歳未満だった。

 サイモン氏は家族や地域社会、文化へのつながりを取り戻すことが自殺防止につながると述べるとともに、精神疾患は恥ではなくそれについて語ってもいいのだということを皆が理解し、周囲の人々から助けてもらいながら人生の現実として受け止めて、立ち向かって行けるような社会にしていこうと呼びかけた。(c)AFP