【8月26日 AFP】(一部更新、写真追加)米民主党のエドワード・ケネディ(Edward Kennedy)上院議員が25日、脳腫瘍(しゅよう)のためマサチューセッツ(Massachusetts)州ハイアニスポート(Hyannis Port)の自宅で死去した。77歳だった。遺族が26日明らかにした。

 左翼の雄として知られ、教育問題、医療問題を専門にしていた。

 遺族は声明で「かけがいのない家族の柱、私たちの生活を照らす明るい光を失いました。彼の信念、楽天的な性格、粘り強さはわたしたちの心の中で永遠に生き続けるでしょう」と述べた。

■兄たちの暗殺という悲劇

 ケネディ氏は、さまざまな意味で米国の名門校卒の裕福なエリート層を代表する存在だった。社会的地位を批判する人々は、そのために私生活のスキャンダルで失墜することを免れたと述べる。

 一方で、1963年11月に起きたジョン・F・ケネディ(John F. Kennedy)米大統領の暗殺、1968年6月のロバート・ケネディ(Robert Kennedy)元司法長官の暗殺というただならぬ悲劇的事件にも苦しんだ。

 50年近く民主党上院議員を務め、晩年には脳腫瘍に果敢に立ち向かい、闘病生活に対しては大きな賞賛を受けた。

「テッド」の愛称で親しまれたエドワード・ムーア・ケネディ氏は、1932年2月22日、厳格なカトリック教のアイルランド系米国人のケネディ一家に生まれた。1960年に、マサチューセッツ(Massachusetts)州から上院選に出馬し、初当選した。

■08年大統領選ではオバマ氏を支持

 2008年の大統領選挙では再び政治の表舞台に登場し、ジョン・F・ケネディ氏の再来と呼ぶ声もあったバラク・オバマ(Barack Obama)氏を支持した。

 オバマ大統領の医療制度改革は、ケネディ氏に最後の政治の大舞台を提供することになった。ケネディ氏は、上院厚生教育労働年金委員会(Senate Health Education, Labor and Pension Committee)の委員長を務め、問題を抱えた医療保険制度の改革を「人生の目標」と呼び、取り組んだ。(c)AFP