【8月23日 AFP】(写真追加)チリの保険当局は22日、同国のシチメンチョウから見つかったインフルエンザウイルスはA(H1N1)型で、ヒトから感染したことを確認したと発表した。

 20日、首都サンティアゴ(Santiago)の西約160キロのバルパライソ(Valparaiso)州の養殖場2か所で新型インフルエンザに感染したシチメンチョウが見つかり、検査が行われていた。

 7月下旬にこれらの養殖場でシチメンチョウの卵の生産量が70%も急落し、卵殻の品質も劣化していた。

 ヒトからシチメンチョウへの感染が確認されたのは世界で初めて。世界の保健関係者はウイルスが変異して毒性が強まることを懸念しているが、チリ保健当局によれば、見つかったウイルスはH1N1型から変異していない。

 チリは南米で新型インフルエンザが最も猛威をふるった国の1つで、同国保健省によればこれまでに116人が死亡、1万2175人が治療を受けたが、流行はやや下火になってきている。

■シチメンチョウを食べても危険なし

 チリ保健当局はシチメンチョウ製品を消費することでインフルエンザに感染するおそれはないと強調している。

 チリは世界有数のシチメンチョウ消費国で、1年間に国民1人あたり約4.5キロを消費している。輸出もしており約50%が欧州へ、残りの50%はメキシコ、カナダ、日本などに出荷されている。(c)AFP