【8月22日 AFP】第2次世界大戦を舞台に対ナチスの戦いを描いた、クエンティン・タランティーノ(Quentin Tarantino)映画監督の最新作『イングロリアス・バスターズ(Inglourious Basterds)』が、今週の世界公開を前にドイツで熱狂的な支持を受けている。

 同作は、ナチス占領下のフランスでユダヤ系米国人の隊員で構成される米軍特殊部隊がヒトラー(Adolf Hitler)をはじめとするナチスの主要幹部を皆殺しにするというストーリー。同時並行で家族をナチスに殺された少女の復讐劇も展開される。第2次世界大戦を背景にした戦争映画だが、史実とは異なる「血みどろのおとぎ話」として、架空の米軍特殊部隊とナチスとの死闘が描かれている。

 主演のブラッド・ピット(Brad Pitt)は特殊部隊を率いるアルド・レイン(Aldo Raine)中尉を演じている。音楽にはデヴィッド・ボウイ(David Bowie)が参加。

 試写を見た大半の批評家たちの間で絶賛の声があがっており、タランティーノ監督作品でおなじみの過激な暴力シーンに眉をしかめる批評家はごくわずかだ。ドイツ国内各紙にも同作を高く評価する記事が掲載されている。
 
 作品タイトルは、1978年のイタリア映画『地獄のバスターズ(Inglorious Bastards)』から取ったもの。タランティーノ監督は、この作品は第2次世界大戦をマカロニウエスタン風にアレンジしたもので、フランスのヌーヴェルヴァーグの影響も受けており、「いわゆる父親たちの世代の大戦ものとは違う映画だ」という。(c)AFP/Deborah Cole