【8月6日 AFP】南太平洋のトンガ・ヌクアロファ(Nuku'alofa)沖で5日深夜起きたフェリー「プリンセス・アシカ(Princess Ashika)」の転覆・沈没事故で、救助当局者は7日、死者が60人以上に上る恐れがあると語った。これまで79人とされていた乗客乗員の数が、117人に訂正されたため。沈没した船体は水深35メートル地点で発見され、トンガ政府はニュージーランドとオーストラリアの海軍に不明者の捜索支援を求めたが、フェレティ・セベレ(Feleti Sevele)首相は生存者発見の可能性は低いとの見方を示した。

 現場海域では7日朝、ニュージーランド当局による空と海上からの捜索が再開された。これまでに少なくとも53人が救助されたが、遺体で発見された2人のほか残る乗員乗客の行方は不明。不明者の中には日本人、フランス人、ドイツ人を含む外国人5人が含まれているという。

 関係者によると、トンガの客船では一般的にデッキ上の船室が男性乗客用、デッキ下の船室が女性と子ども用となっているといい、救助された人の多くは男性で、逃げ遅れた女性と子どもが犠牲となった可能性が高い。

 セベレ首相によると、沈没の原因は依然不明。「プリンセス・アシカ」の耐航性を疑問視する声も上がっているが、同船は保安検査を通っており、船体保険にも加入していたという。(c)AFP