【7月21日 AFP】ペルーの最高裁特別刑事法廷は20日、横領などの罪に問われていた元大統領のアルベルト・フジモリ(Alberto Fujimori)被告(70)に対し、禁固7年6月の有罪判決を言い渡した。同被告は、「不当な」判決だとしてただちに控訴する意向を表明した。

 1990-2000年に大統領を務めたフジモリ被告は、政権末期、側近だったブラディミロ・モンテシノス(Vladimiro Montesinos)元国家情報部(SIN)顧問を解任した際、1500万ドル(約14億円)を不正に国庫から支出し同顧問に支払ったとされ、横領の罪に問われていた。

 検察側はこの1500万ドルについて、フジモリ政権下での汚職や人権侵害についてよく知る立場にあったモンテシノス氏に対する「口止め料」だったと指摘。禁固8年と、66万1000ドル(約6200万円)の損害賠償を求めていた。

 同被告は4月にも、市民虐殺事件に絡んだ「人道に対する罪」などで禁固25年の有罪判決を受けている。ペルーの法律では、複数の有罪判決を受けた場合、最も長い刑期が採用されるため、今回の判決は概して「象徴的」なものと見なされている。

 その一方で、フジモリ被告は、この横領事件に関与したほかの元閣僚3人とともに、罰金100万ドル(約9400万円)も命じられた。(c)AFP