【7月15日 AFP】モスクワ(Moscow)のロシア科学アカデミー生物医学研究所(Institute for Biomedical Problems Russian Academy of ScienceIBMP)に設置されている「宇宙船」で、有人火星探査を想定した実験を行っていた6人の男性が14日、約3か月ぶりに姿を現した。

 宇宙船に見立てられたカプセル内での実験は、火星への有人飛行を目指しているロシアが、実際の飛行環境を忠実に再現し、長期の隔絶状態が心と身体に及ぼす影響などを調べるもの。長期の宇宙飛行におけるさまざまな問題点について理解を深めることを目的とする。6人が志願した今回の実験では、火星への模擬着陸、最大20分の通信遅延、予期せぬ緊急事態なども「起こった」。

 本物の宇宙飛行士に見まがう青いオーバーオールを身につけたロシア人4人、フランス人とドイツ人各1人の計6人は、この日、外界から遮断された105日間の実験生活を終え、にこやかに「宇宙船」から出てきて、花束を受け取った。全員、健康そうだ。

 実験は、欧州宇宙機関(European Space AgencyESA)とIBMPが共同で行ったが、来年初頭にはさらに長期にわたる実験が計画されている。6人が「宇宙船」にこもるのは同じだが、滞在期間は、火星への往復旅行を想定した520日間だという。(c)AFP/Amelie Herenstein