【7月14日 AFP】地球では5500万年前に急激な温暖化が発生したが、そのメカニズムの解明を試みようとする論文が13日、米ハワイ大(University of Hawaii)の地球科学者チームによって発表された。

 地球が突然温暖化した暁新世・始新世境界温暖化極大イベント(Paleocene-Eocene Thermal MaximumPETM)時期に関する以前の研究では、地球の表面温度がわずか数千年で5-9度も上昇したと推定されている。この時期、北極海の海水温は23度、あるいはぬるま湯程度まで上昇したことが分かっている。

 このPETMがどのように発生したのかは不明だが、気候学者らは、今日の温暖化へのヒントにもなるそのメカニズムを解明しようと躍起になっている。

 これまでに分かっているのは、人為的ではない自然な「温室効果ガス」がごく短期間で大量に吐き出されたらしいということだ。理論的には、その原因は、火山活動、海中のメタン水和物が突然放出した、などが考えられる。

■二酸化炭素の大量排出の原因は?
 
 米ハワイ大の3人の地球科学者チームは、PETMの間に大量に吐き出された二酸化炭素の解明に取り組んでいる。

 チームは、PETMにおいて大気中の二酸化炭素(CO2)濃度が最大70%上昇し、1700ppmに達したと考えている。現在の濃度より4-5倍高いことになる。

 ただし、気候感受性モデルが正しいと仮定して、これらのCO2をすべて合わせても、PETMの温暖化のうち1-3.5度程度しか貢献していないという。つまり、温暖化を誘発した要素がほかにもあるということだ。

 考えられるものとしては、いわゆる「正のフィードバック」がある。これは例えば、北極海の氷の一部が溶けると、その部分の海面が日光にさらされて海水が温められ、氷の溶解と海水温のさらなる上昇が繰り返されるというものだ。

 だが、こうした「フィードバック」に関する理解は進んでおらず、知られていない原因がまだあるのではないかと考える科学者もいる。(c)AFP