【7月12日 AFP】(写真追加)ガーナを訪問したバラク・オバマ(Barack Obama)米大統領は11日、首都アクラ(Accra)の議会で演説した。オバマ大統領は汚職で私腹を肥やす専制的な政治指導者を非難する一方、「諸君がアフリカの未来を作るのだ」と述べアフリカの人口の半分以上を占める若者に期待を示した。

 サハラ砂漠以南の地域を初めて公式に訪問したオバマ大統領は、AIDSなどの疾病やスーダン・ダルフール(Darfur)地方やソマリアなどの紛争に対応していく米国の方針を示した。

 さらに「開発には良好な統治が不可欠だが、アフリカではあまりに多くの国であまりに長くそのような統治がない状態が続いている。アフリカが必要としているのは、強権的な指導者ではなく、強力な統治機構だ」と指摘。「若者たちは指導者たちに説明責任を果たさせることができる。民衆に奉仕する統治機構を構築することもできる」と述べ、自らの選挙戦でのスローガンをもじって「Yes, you can」と締めくくった。

■奴隷の輸送拠点も訪問

 オバマ大統領は米国の支援を受け、マラリアなどにかかった子どもや女性を受け入れているアクラ市内の公立病院を訪問し「子どもたちが蚊に刺されて死に、母親たちが出産が原因で死んでいる。医療の一層の改善が必要だとの思いを新たにする」と語った。

 またオバマ大統領一家は南北アメリカ大陸に向けて多数の奴隷が送り出されたケープ・コースト城(Cape Coast Castle)も訪れ、「心を動かされる体験」だったと述べた。

 オバマ大統領はガーナで暖かい歓迎を受け、「オバマよ、あなたは真のアフリカの息子だ」などと書かれたプラカードや国旗を持った数千人の群衆が大統領を一目見ようと通りに出た。オバマ大統領は11日夜ガーナを後にして帰国の途についた。(c)AFP/Laurent Lozano and Aminu Abubakar