【7月9日 AFP】オーストラリア政府は8日、同国中部にある「エアーズロック(Ayers Rock)」の名で有名な巨大な岩山「ウルル(Uluru)」について、文化・安全面の理由から、観光客の入山を禁止する計画を検討していると発表した。

 豪国立公園当局は、ウルルでは年間30人が登山中に死亡している事態などに鑑み、「訪れる人の安全、および文化的、環境的な理由」で入山禁止措置を検討していると語った。

 ウルルは先住民アボリジニの聖地で、アボリジニは1985年に所有権が返還されて以来、恒久的な入山禁止を求めている。現在、すでに夏季の入山が禁止されている。

 地元政府は、オーストラリアの観光客数の減少傾向に拍車を掛けるものだととして、計画にただちに反対する姿勢を示したが、豪観光輸出会議(Australian Tourism Export Council)は「ウルルの伝統的所有者であるアボリジニの権利が最も尊重されるべきだ」としてこの動きを歓迎した。

 ウルルには年間35万人の観光客が訪れている。(c)AFP

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