【7月1日 AFP】父親になりたいと思っている男性は、精子の質を最大限高めるためにも、パートナーが排卵する前の1週間は毎日セックスまたは射精をすべし――。こうした研究結果が、オランダ・アムステルダム(Amsterdam)で開催中の欧州ヒト生殖学会議(European Society of Human Reproduction and EmbryologyESHRE)で30日に発表された。
 
 オーストラリアの体外受精診療所「シドニーIVF(Sydney IVF)」の不妊治療専門家、デビッド・グリーニング(David Greening)氏は、DNAの損傷レベルが正常値を上回る男性118人に対し、7日間にわたり毎日射精してもらい、精子の損傷率を実験前後で比較した。実験中、被験者への薬などの処方はなく、ライフスタイルに関する指示も与えられなかった。

 被験者全体の精子の損傷率は、実験前は平均34%だったが、実験後は平均26%に低下した。精子の質が「悪い」から「普通」に改善されたことになる。

 結果を詳しく見てみると、精子の質が向上したのは被験者の80%にのぼり、その多くが「悪い」または「普通」から、「良い」に改善された。なお、残り20%は、精子の質が逆に低下した。

 グリーニング氏は、男性の大半にとって、毎日の射精は精子の数が減るとしても、精子の質を高めるだけでなく、受精の成功には欠かせないとされる精子の「運動性」も高めると指摘する。

 その理由は明らかになっていないが、精子が精管に長くとどまるとそれだけ細胞を破壊する活性酸素にさらされることになるのではと、同氏は推測している。(c)AFP