【6月30日 AFP】オーストラリア・ビクトリア(Victoria)州メルボルン(Melbourne)郊外Toolern Valeにある、オーストラリア固有の野生動物ディンゴの保護施設では、絶滅の危機にあるディンゴを守り、ディンゴに対する誤解を解くことを目的として、国外の動物園に向けたディンゴの輸送を始めている。

 保護施設「ディンゴ・ディスカバリー・リサーチ・センター(Dingo Discovery and Research Centre)」を運営するリン・ワトソン(Lyn Watson)さんは、20年以上にわたってディンゴの保護活動をしている。ディンゴの純血種は、野生犬との混血が進んだことや人間が生息地に侵入したことなどから、その姿を消しつつある。

 保護施設には、5000年ほど前にアジアからオーストラリアに到着した最初のディンゴ直系の子孫であることが遺伝子検査で確認された30匹のディンゴがいる。

 近年までオーストラリアでは有害動物と考えられていたディンゴだが、リンさんによると、前年、ディンゴがオーストラリア各地で絶滅の危機にあると正式に認められたことにより、ディンゴを獲得しようと国外の動物園からの引き合いが急増しているという。(c)AFP/Neil Sands