【6月22日 AFP】中国の資源買い占めが世界の商品市場高騰に拍車をかけているが、在庫過剰と景気回復の先行き不透明感によってこの傾向はまもなく終息するだろうとの見方を、専門家らが示している。

 世界経済が金融危機の影響で不況に転じる中、中国は石油や銅、石炭などの主要原材料を、景気回復に備えて買い溜めしてきた。金融危機は中国の輸出も急減させたが、中国のバイヤーは商品価格や輸送費の下落に乗じて資源投資を急増させていた。

 だが、アナリストらはこの勢いは近く減速するだろうと見ている。

 中国・四川(Sichuan)省成都(Chengdu)にある威爾キン投資公司(Wellxin Consulting)の商品市場アナリスト楊易君(Yang Yijun)氏は、「中国は2008年第4四半期に商品価格が非常に下落した時から、資源の買い占めを続けてきたが、大規模な買い付けは徐々に終息に向かうだろう。中国の在庫状況はほぼ限界に近い」と指摘した。

 中国では、世界経済が回復した後の商品価格高騰で利益を上げることを狙って、国家機関の国家備蓄局(State Reserve Bureau)を始め原料メーカー、卸業者、投機筋までが、資源投資に走っている。(c)AFP/D'Arcy Doran