【6月17日 AFP】イラン大統領選後の混乱で、政府のアクセス遮断措置にもかかわらず、動画共有サイト・ユーチューブ(YouTube)が抗議デモの動画配信場所として活躍している。

 16日も、ユーチューブにはマフムード・アフマディネジャド(Mahmoud Ahmadinejad)大統領の再選に抗議するデモの様子を断片的に撮影した動画の投稿が相次いだ。中には、治安部隊がデモ参加者を殴打している様子や、軍がテヘラン大学(University of Tehran)の寮に突入した後に残された残がいを写したものもあった。 

 15日にテヘランで行われた大規模な抗議デモの最中に1人が射殺される瞬間を撮影したとみられるものも、複数投稿されている。

 自分の実況を入れたもの、パリなど世界各地で行われている抗議集会の動画と合成したものもある。

 ユーチューブの広報担当者スコット・ルービン(Scott Rubin)氏は、AFPの取材に対し、「ユーチューブはイラン国民が世界に向けてメッセージを発する重要かつ欠かせないプラットフォームだ。アクセス遮断や報道制限があっても、今後もそうあり続けるだろう」と述べた。

 ユーチューブは、あからさまな暴力に関する動画は削除する方針を取っているが、イランの抗議活動の動画については「ドキュメンタリー的な価値」を考慮して削除しないとしている。(c)AFP