【6月14日 AFP】仏パリ(Paris)の高級ブランド店で散財した後、1年以上にわたり8万9000ユーロ(約1250万円)以上の代金を支払わなかったサウジアラビアの王女が、滞在先のホテルを訪問した差し押さえ執行官に対し、支払いを合意した。店側の弁護人が明らかにした。

 パリの高級ブティック、「キー・ラルゴ(Key Largo)」は前週、サウジアラビアのナエフ・ビン・アブドルアジズ(Nayef bin Abdul Aziz)内相の妻、マハ・スダイリ(Maha al-Sudairi)王女に買い物代金の支払いを求め、パリの裁判所に提訴した。

 店舗側が求めた王女の資産差し押さえを受けて12日、パリの高級ホテルで、現在は王女の甥であるアルワリード・ビン・タラール(Alwaleed Bin Talal)王子が所有するホテル、ジョルジュ・サンク(George V)に滞在する王女の元を、差押状を携行した担当官らが訪問した。

 王女の側近らが執行官ともめる間、王女はこの4つ星ホテルの自室に閉じこもっていたとされるが、ホテル側は王女が当時その場にいたかどうか明かすのを避けている。

 店側の弁護人によると、約3時間のやりとりの末、王女の側近が執行官に8万9000ユーロ分の小切手を手渡し、17日までに当座口座への入金を約束したという。王女側は未払いの理由について「側近が見過ごしていた」と述べたという。

 しかし、同王女の未払いはこの件だけに収まらない。同じくパリの最高級ホテル「クリヨン(Crillon)」に1000万ユーロ(約13億8000万円)の未払いがあるといわれるほか、パリの宝飾店「ショーメ(Chaumet)」も60万ユーロ(約8300万円)の支払いを求めて王女に訴訟を起こしたところだ。

 王女の滞在するジョルジュ・サンクの向かいにある高級ランジェリー店「Aux caprices de Lili」もAFPに対し、王女が下着やシルクのバスローブ、水着などを購入し、7万ユーロ(約970万円)のつけがあると明かしている。(c)AFP


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