【6月9日 AFP】米ニューヨーク(New York)のミートパッキング・ディストリクト(Meatpacking District)で、かつては治安の悪い通りの上にまたがる鉄道の高架路線の跡地が公園として生まれ変わり、8日、マイケル・ブルームバーグ(Michael Bloomberg)市長などが出席して開園式典が行われた。

 ハイライン・パーク(High Line Park)と名付けられたこの公園からは、ハドソン川(Hudson River)が見渡せる。また、現在は野生植物が生い茂っているが、ニューヨーク産業史の面影もかいま見ることができる。

 この高架路線は1930年代に建設され、1980年に貨物路線が廃線となった後、取り壊される予定だった。

 あいさつに立ったブルームバーグ市長は、「ニューヨークの歴史の一部であるこの価値ある建物を、壊すのではなく公園として再利用することで、市民に憩いの場を提供できるとともに、雇用も創出できる」「10年前までは目障りだったこの高架路線も、今ではわれわれの未来へのすばらしい贈り物だ」と述べた。

 公園の第1区画は9日から一般公開され、10ブロックにまたがる第2区画は来年中の完成を目指すという。

 公園内には、線路やアールデコ調のガードレールなどがそのまま残されているほか、新しい歩道や夕日が見えるベンチ、野生植物を見立てて植えられた草花などがある。

 この公園はすでに、流行に敏感なニューヨーカーの間では話題となっている。デザイナーのダイアン・フォン・ファステンバーグ(Diane von Furstenberg)氏もこのプロジェクトを率先して支援した1人だ。前週開催されたキャンペーンイベントには、ハリウッドスターらも出席した。(c)AFP