【5月24日 AFP】過酷な環境や不安定な天候であるほど、一部の鳥では鳴き声が「美しく」なったり、学習能力や優れた伴侶を射止める技が高まるという研究が21日、発表された。

 対象となったのは、ほかの鳥のさえずりを真似ることで知られるモッキンバード(マネシツグミ)。世界各地に住むこの鳥について、米国立進化統合センター(National Evolutionary Synthesis CenterNESCent)、米コーネル大学鳥類学研究室(Cornell University Lab of Ornithology)、カナダ・マクギル大学(McGill University)が共同で、大規模に調査した。

 NESCentの研究者、カルロス・ボテロ(Carlos Botero)氏は「環境が変動しやすく、予測しにくくなるにつれ、鳥のさえずりの種類も細かく増えてきた。天候パターンの予測が難しくなると、いつ食料にありつけるか、どのくらい不足せずに済むかも分からないから、生存と繁殖がいっそう複雑化する。そのため、過酷な天候の中で、メスが秀でてもいないオス鳥を選んでしまうと、メス鳥にとって取り返しのつかないことになる」という。

 ボレロ氏によると、オスのモッキンバードが鳴くのは主にパートナーに自らをアピールするためだが、中でも複雑な鳴き方をオスは「寄生虫をそれほど持っておらず、子どもの生存率も高い」という。

 一般に、鳴き鳥(ソングバード)といわれる鳥たちは、生まれつき鳴くことができるのではなく、成長していく過程でほかの鳥の鳴き方を真似て覚えなければならない。ボテロ氏たち研究チームでは、この学習能力があるということは、ほかの学習能力もあるしるしだと考えている。「鳴き方のうまい鳥は、少なくとも間接的にほかの鳥に向かって、自分は学習能力が高いのだということを示している」(ボテロ氏)

 ボテロ氏は世界中の記録音源を調査し、さらに南半球各地の野生のモッキンバードについて29種類、100羽分の声を採集した。それらの音源をコンピューター・プログラムでグラフ化、温度と降水量の記録データのパターンと比較研究した。報告は米科学誌『カレント・バイオロジー(Current Biology)』に掲載された。(c)AFP