【5月23日 AFP】米国がキューバに対し、2003年に停止した移民協議の再開を提案したことが明らかになった。匿名の米国務省高官が22日、AFPに明らかにした。

 この高官によると米国は、協議再開を機に移民問題についてキューバとの協力関係を強化し、合法的で秩序ある移民にむけて両国がしっかりと対応するようにしたい意向だという。

 米国とキューバは2003年までは2年に1度移民問題について協議していた。1月に就任したバラク・オバマ(Barack Obama)大統領は4月、キューバに親族がいる米国民によるキューバへの渡航と送金の制限を撤廃するなど両国の関係改善を図っている。

 しかし、フロリダ(Florida)州の共和党 (Republican Party)キューバ系米国人の議員グループは、オバマ政権によるキューバに対する一方的な譲歩だとして、移民協議再開を批判する声明を出した。

 同州選出の共和党のメル・マルティネス(Mel Martinez)上院議員も、キューバ政府が毎年、米国のビザを得た数百人のキューバ人に出国許可を出していないのは移民協定の違反にあたると指摘し、移民協定が完全に遵守されないかぎり協議を再開すべきでないと主張している。

 1995年に米国とキューバが結んだ移民協定では、海上で身柄を確保された移民はキューバまたは第三国に送還されるが、米国に到達した移民の米国滞在は認められることになっている。(c)AFP