【5月23日 AFP】インターネットを通じて世界中で人気を博した自称「世界最高齢ブロガー」のおばあちゃん、マリア・アメリア・ロペス(Maria Amelia Lopez)さんが21日、97歳で死去した。メディアが伝えた。

 孫の1人から教わってブログを始めたロペスさんは、郷愁の念やユーモアを込めて、フランシスコ・フランコ(Francisco Franco)総統の長期独裁政権時代の生活を思い起こしたり、現代社会に対する意見をつづった。

 2006年12月23日に書かれた初めてのブログ記事で、ロペスさんは、「きょうはわたしと孫の誕生日。とってもけちな孫が、わたしにブログをくれた」と記した。

 ロペスさんのブログはメディアで取り上げられて人気を獲得し、アクセス件数は150万件を超えた。人気者になったロペスさんは、支持していたスペインのホセ・ルイス・ロドリゲス・サパテロ(Jose Luis Rodriguez Zapatero)首相と面会することもできた。

 ロペスさんのブログでは、病院に出かけたり、めまいが突発的に起きるといった個人的な健康問題や、バスク(Basque)地方の分離独立派による暴力や、イランの核開発問題など、最近の情勢に対する意見などが掲載されていた。

 ブログは不定期に更新され、1週間に1度のときもあれば、毎日書くこともあった。白内障を患い目がよく見えなかったため、孫がブログの更新を手伝っていたが、最近数か月は、文章の代わりにビデオメッセージを投稿する頻度が増えていた。

 2月に書かれた新しい記事では、孫のダニエル(Daniel)さんから米ソーシャルネットワーキングサービス(SNS)大手フェースブック(Facebook)を紹介されたと述べ、「インターネットに次から次と驚かされる」と夢中になっている様子をつづっていた。

 フェースブックに参加したロペスさんは、すぐに高齢者の権利を擁護するグループを設立した。

 英紙ガーディアン(The Guardian)紙とのインタビューで、ロペスさんは、「近いうちにわたしは死ぬ。わたしが怖いのは、心を失ってしまうということだけ。それまでは、今のままで続けていくよ」と語っていた。(c)AFP