【4月26日 AFP】パキスタン北西部ブネル(Buner)地区で、音楽を聴いたことへの懲罰として、パキスタン男性4人が、イスラム原理主義組織タリバン(Taliban)の戦闘員に頭髪とひげをそられた。被害にあった男性の1人が26日、明らかにした。

 ブネル地区のとなり、スワト(Swat)地区では、2年間にわたってタリバン強硬派がイスラム法の導入を求めて激しい反政府活動を行っていたが、最近になって、スワト地区からタリバン戦闘員数百人がブネル地区に進出したとして、米国が深い懸念を表明していた。

 タリバンと地元当局高官は、戦闘員らが25日にブネル地区から撤退したと述べているが、地元のタリバンのメンバーは残っている。また、地元住民は、いまだに多くの戦闘員がブネル地区郊外の丘陵地帯にいると語っている。

 そういった中、ブネル地区の若者からAFPへの匿名の電話によると、25日夜に1つの事件が起きた。タリバン強硬派が、音楽を聴いていた男性4人の頭髪とひげをそり落としたのだという。

「3人の友人らと車に乗り、音楽を聴いていたところ、武装したタリバンのメンバーに車を止められた。カセットテープとプレーヤーを叩き壊された後、彼らは、ぼくらの頭髪を半分だけ丸刈りにして、ひげをそり落とした。殴られ、2度と音楽を聴かないようにと言われた」(被害にあった匿名の若者)

 地元警察は、そういった事件の情報は無いとしている。

 被害にあった若者と友人らは、「無駄なので」警察に届け出なかったと述べ、「タリバンをさらに怒らせることになるし、自分の命が惜しい」と語った。(c)AFP