【4月24日 AFP】イタリアのシルビオ・ベルルスコーニ(Silvio Berlusconi)首相は23日、7月8-10日に同国で開かれる主要国(G8)首脳会議(サミット)の開催地を、当初予定のサルデーニャ(Sardinia)州マッダレーナ(Maddalena)島から伊中部地震の被災地ラクイラ(L'aquila)に変更することを提案し、閣議決定された。

 開催地変更にはG8参加国の承認が必要となる。伊ANSA通信によると閣僚の中にも反対意見があり、閣議でも複数の閣僚が公然と異議を唱えたという。

 これに先立って同日、内閣はラクイラで開いた特別閣議で、80億ユーロ(約1兆300億円)規模の地域復興法を閣議決定した。開催地の変更は、被災地の復興計画の一環だという。

 ベルルスコーニ首相は、ラクイラでサミットを開催すれば、被災地の復興支援を表明した各国首脳に「地震のつめあとを実際に詳しく見てもらうことができる」と説明。

 さらに、マッダレーナでの開催には2億2000万ユーロ(約280億円)以上の経費がかかると指摘した上で、「これらの資金を(被災地の)アブルツォ(Abruzzo)州の再建に使おうではないか」と述べ、ラクイラでのサミット開催は経費節減にあたり、景気後退が深刻化している現在の世界情勢によりふさわしいとの見方を示した。

 しかし、マッダレーナではすでにサミット開催の準備が進んでおり、閣僚の1人、アルテロ・マッテオーリ(Altero Matteoli)インフラ・運輸相は閣議後、地元テレビの取材に「まったく信じがたい。これまでに費やした費用を考えると、この段階での変更は難しい」と開催地変更に批判的なコメントを出している。(c)AFP/Emmanuelle Andreani