【4月16日 AFP】英国の広告規制機関、広告基準協議会(Advertising Standards AuthorityASA)は15日、英ウェルズ・アンド・ヤングス(Wells & Young's)が製造するビール「カレッジ(Courage)」の広告ポスターについて、「ビールを飲めば内気な男性でも女性に対して強く出る自信がわくと仄めかしている」として、使用を禁止したと発表した。

 この広告は、ボディラインを強調する服を着たふくよかな体格の女性の隣に、気弱な表情の男性が座っているもので、「Take Courage my friend」というキャッチコピーが掲げられている。このキャッチコピーは、「カレッジ(ビール)を飲めよ」とも「勇気を出せよ、相棒」とも読める。

 ASAによると、この広告に関して、「ビールを飲んだ男性が、女性に対し否定的なコメントを言ったり、女性を誘惑したりする自信がもてることを示唆している」とする苦情が、これまでに3件寄せられたという。

 一方、ウェルズ・アンド・ヤングス側は、ポスターは多くの男性が直面する可能性のある状況を取り上げたものだと反論。キャッチコピーも1950-80年代にかけて使われていたものをまねただけだと強調し、使用禁止令に驚きを表明した。

「ASAが下した判断に非常に驚いている。われわれは、カレッジの愛飲者が出会うかもしれない日常のユーモラスな出来事を描いたつもりだ。女性から『この服じゃお尻が大きく見えちゃうかしら?』と聞かれるような経験は、誰にだってあり得るだろう。もちろん、その答えが『ノー』だということは英国人男性の常識だ」(ウェルズ・アンド・ヤングス販売責任者、クリス・ルイス氏)

 ASAは、この広告のユーモアは理解できるとしながらも、「ビールで自信をつけることができるということを示唆する」ことは広告基準に違反していると指摘している。(c)AFP

ウェルズ・アンド・ヤングス社の「カレッジビール」の広告(英語)